今回は、投資事例ではなく皆さんよく聞く「預金封鎖」「新円切り替え」について個人的な見解を含めて書きましたので、ご参考になれば幸いです。
日本で「預金封鎖」は起こるのか?
新聞やテレビ等で「預金封鎖」「新円切り替え」について一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
2024年7月あたりから、新円切り替えが予定されていて、
- 新円切り替え以降、これまでのお札は使えなくなる(紙くず)
- なんで、今からタンス預金しないと銀行に資産没収される(金庫を買わないとw) などなど
それを不安視したりされたりという話もちらほら聞きます。
結論から言うと、今の日本でそれらの事はまずありえないです。
というか、やっても全く意味がないということを皆さんにお伝えします。
まずは、預金封鎖についてです。
預金封鎖と言えば、第二次世界大戦の終戦直後の幣原内閣時に行われたことで有名ですが、まず重要なのが、「預金額がカットされたわけではない」ということです。
では、具体的に何をしたかというと、「一日に引き出しできる預金額に制限を設けただけ」です。
引き出し制限を設けたのは、引き出し制限なしだと物資を際限なく買い込まれてすぐに品不足になるからです。
当時は、終戦直後で物資を供給するための工場などの生産設備が空襲で壊滅的な被害を受けて、物資が品薄になりがちでした。
物資が品薄ということは、その物資を求めて人が殺到しますから、お金よりも物資の方が価値がある状態です。つまり、インフレ状態です。
コロナ禍でトイレットペーパーを買い占めていた件がありましたが、あんな感じですw
インフレと言っても、本来の経済成長に伴う賃金上昇と連動した健全なインフレではなく、供給力がとてつもなく低いことで発生する今とは全く状況が異なるやや高めのインフレ状態でした。
それで、一日に引き出しできる金額に制限をつけることで品薄な物資を不必要に買い込まれないようにしました、
政府としては、「今は大変な時期なので物資の供給力が回復するまでは最低限の物資で暮らしてくださいね〜。」という一時的な措置が終戦直後の預金封鎖です。
戦後、預金封鎖とセットで導入された「新円切り替え」とは
「新円切り替え」とは、既に預金が引き出されて現金をたくさん持っている人が品薄な物資を買い込むというのを防ぐ目的の対策です。
物資を買うために、旧円ではNG、いったん銀行に持って行って新円に変えてからにしてくださいということになりました。
銀行に旧円を持ち込むということは、いったん預金として預けることになりますから、当然ながら一日に引き出し制限が適用されます。
もちろん、旧円を新円に切り替えたからといって金額がカットされたわけではありません。
なお、教育費の支払いなどは旧円での支払いも認められていました。
終戦直後の預金封鎖でも金額がカットされたわけではなく、前述したように戦後の供給不足からくる、高めのインフレを抑えるための政策ということで当時として妥当な政策でした。
引き出し制限された預金がインフレで実質的に目減りしたという話もありますが、引き出し制限がなかったらもっとひどい状態になっていたと思います。
現在は、巷に物資が溢れていますし、多少インフレ率が上がったとはいえ、需給バランスはそれなりに取れておりますので、預金封鎖をやる必要が全くありません。
ハイパーインフレの定義とは
またハイパーインフレいう定義も勘違いされがちです。
ハイパーインフレとは、経済史の定義では月利50%以上のインフレ率とされておりますが、終戦直後の日本のインフレ率はこの定義に当てはまりません。
世界のハイパーインフレの歴史考察には入ってこないことがほとんどです。
因みに、戦後の日本のインフレ率は年率134%(1945〜50年平均)です。
ハイパーインフレが起きると行っている人たちは、一体どんな状況を想像しているんでしょうかねw
「新円切り替え」で「預金封鎖」は起こるのか?
2024年7月ごろから新札が出回りますが、これを「新円切り替えと同時に預金封鎖が起こる」というのがいかに無知で滑稽な見方かわかりましたね。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2014年頃からマネーロンダリング対策と称して、銀行で一日に振込できる限度額や引出限度額が設けられるようになりました。
預金者からしたら、自分の預金なのに制限がかかるなんてふざけるな!と思いますが、国際的なルールだから仕方ないですね。
そのような話をしてくる人は、とんでもないアホか自分の都合のいいものをセールスしたい人か単なる詐欺師いずれかだと思って間違いないですw
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