オフショア(租税回避地域)として有名なのが、ヨーロッパでは、マン島(イギリス領のバージン諸島)やスイス、アジアでは香港、シンガポールです。
世界の主要金融機関や企業が会社は、オフショアの租税メリットなどを活用する為、会社を次々と設立しており、世界中の資産の50%以上が集まっていると言われています。


米有名企業もオフショア節税

米国を代表する4社「GAFA」(Google、Apple、Facebook、Amazon)も、このオフショア地域に海外法人を設立し数兆円規模の売上を移し節税対策を行っていることが、米議会で問題になったことも有名な話です。

オフショア地域で日本からのアクセスの良さ(直行便で5時間前後)と投資環境が整った場所として最も人気なのが「香港」です。企業や個人投資家がHSBC銀行口座やプライベートバンクを利用し、世界の金融商品への投資や資産運用を積極的に行っています。

香港は「国際金融センターランク第3位(2019年度)」として、香港金融局に許可された商品だけでなく、世界中の幅広い金融商品サービスを利用することができるのです。

海外投資というと一部の富裕層や資産家の方が投資しているイメージがあるかもしれませんが、月々数万円から始められる積立型の金融商品や年利2〜3%の生命保険があるため、日本からも多くの方が香港経由で契約をしています。

国際金融センターランキング トップ10

1位 ニューヨーク
2位 ロンドン
3位 香港
4位 シンガポール
5位 上海
6位 東京
7位 トロント
8位 チューリッヒ
9位 北京
10位 フランクフルト

1位はニューヨーク、2位はロンドン、3位の香港は変わりません。東京は6位と他のアジアの金融センターに比べ活力がないと判断されたことがランクを落とした要因のようです。

経済自由度指数 香港が25年連続第1位

アメリカのシンクタンク「ヘリテージ財団」と経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」は「2019年経済自由度指数(Index of Economic Freedom)」を発表しました。

香港が25年連続で世界一となり、2位はシンガポール、3位はニュージーランドとトップ3は2015年から5年連続で同じで、日本とマカオは前年と同じ30位と34位、中国本土は前年の110位から100位となっています。

2019年経済自由度指数トップ10

1位 香港    90.2
2位 シンガポール  89.4
3位 ニュージーランド  84.4
4位 スイス   81.9
5位 オーストラリア  80.9
6位 アイルランド  80.5
7位 イギリス  78.9
8位 カナダ   77.7
9位 アラブ首長国連邦  77.6
10位 台湾   77.3

※米国のシンクタンク「ヘリテージ財団」と「ウォールストリート・ジャーナル」が毎年発表。
※10項目(ビジネスの自由度、貿易の自由度、財政の自由度、政府支出、通貨の自由度、投資の自由度、金融の自由度、財産権の確保、汚職の少なさ、労働の自由度)を100点満点で採点され、総合得点の平均点で順位を算出されます。

各国の税率比較

税率や非課税措置の比較では、香港はダントツで低く設定されています。
今話題のシンガポールや世界的に有名なスイスは、意外にも高い税率になっています。

 税の種類 日本 香港 シンガポール スイス
個人所得税+住民税 (最高税率) 55% 17% 20% 30%
法人税 (最高税率) 38% 16.5% 17% なし
インカムゲイン税 (配当/利子税) 20% なし なし 35%
キャピタルゲイン税 (譲渡益税) 20% なし なし なし
相続税 50% なし なし 6%
贈与税 50% なし なし 6%
消費税 10% なし 7% 7.6%

このように、税金面、経済自由度、投資環境や日本から一番近いオフショアとして、香港が人気なのが、お分かりいただけると思います。